明石市民フォーラム

第11回「どうなる明石の救急医療!!」Q&A

救急の一次、二次、三次、について教えてください。
外来診療により応急処置的な医療と入院を必要としない軽症者に対応する休日・夜間診療所、在宅当番医制の「一次救急医療」、入院や手術を必要とする病院群輪番制を有する「二次救急医療」、二次救急医療施設では対応できない災害、大規模な交通事故等重症で複数科にわたる患者の診療と治療ができる救命救急センターを有する「三次救急医療」と大きく三つに分かれています。
明石市の救急体制について教えてください。
内科と小児科は明石市夜間休日応急診療所で眼科は市内の輪番交替制で耳鼻科は東播磨医療圏の輪番交替制で休日診療を行ない、一次救急医療を担っています。
また手術が必要な外科系疾患、脳疾患、循環器疾患は主に救急告示病院で病院輪番制を有する二次救急医療機関で実施しています。救命救急センターを有する三次救急医療機関は当市にはありませんが、現在では神戸市の医療機関と連携しています。近々、県立加古川医療センターにも新設される予定です。
この数年全国的に救急病院の閉鎖や縮小等、救急医療の崩壊が急速におこっているのは何故ですか?
医療のめざましい進歩に伴い救急医療においても高い専門性が要求され、不確実な医療に対する患者・家族の過度の期待、それに伴う医療訴訟の増加に加え医師不足や看護師不足、マンパワー不足で救急患者の受け入れが難しくなりました。
さらに救急医療は不採算性にかかわらず小泉内閣が掲げた「聖域なき構造改革」の一環である低医療費政策に深く関わる「診療報酬の切り下げ」「地方自治体の財政困難」が救急医療経営面に大きくのしかかりました。
それでは医師不足問題の現状を教えてください。
平成16年に始った新しい医師研修制度が直接の原因です。それ以前は新卒医師の7割は大学病院で臨床研修を受けましたが、研修内容が専門分野に偏りがちで「幅広く患者を診察できる医師」の養成システムになっていなかった反省から、新しい研修制度が始まりました。
新制度では、新卒医は2年間の初期研修が義務付けられ内科・外科・小児科・産婦人科・精神・麻酔科を含む救急医療・地域医療の7分野で研修し幅広い医療の基本知識と手技をマスターします。その後2年以上かけて研修医が希望する専門診療科で研修を行い専門医となります。
新制度になって、新卒医師の大半は大学病院ではなく研修指定病院で研修を受けるようになりました。その結果、大学病院は医師不足になり関連病院から医師を引き上げざるを得なくなって、現在の医師不足が発生しました。さらに夜勤の少ない、リスクの少ない、超過勤務とならない診療科への偏在でますます救急医療の医師不足は深刻なものとなっています。

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看護師不足の現状も教えてください。
厚労省は、救急患者を受け入れ平均在院日数が短い「急性期病院」の多忙な看護業務を緩和するために、24時間当たり患者数10名に対して看護師1名以上勤務という従来の看護基準に対して、患者7名に看護師1名以上と手厚く配置した場合に加算を付けました。都市部の大病院がこぞって、この新基準を満たす為に看護師を集めたため、都市周辺地域の病院を中心に深刻な看護師不足が起こりました。特に地方の急性期医療を担う公立病院に深刻な看護師不足をきたし、数多くの公立病院が病棟閉鎖、それに加え救急医療も崩壊しています。
「たらい回し」はなぜ起こるのですか?
一般的に「たらい回し」とは救急搬送の受け入れ困難事例のことで具体的には「満床である」「医師・看護師のマンパワー不足で処置困難」で診療受け入れ不可能である状態を示します。決して医療機関がさぼっている訳ではありません。さらに詳しく説明すると、一次、二次救急医療機関がマンパワー不足を中心とした諸事情でその数が減少する中コンビニ受診の増加に伴い本来受け入れなければならない生死をさまよっている患者さんの受け入れが困難となり生じます。
地域の救急医療を守るためにできることがあれば教えてください。
身近なところで「かかりつけ医」を持って体調が悪いときは早めに受診するとともに、日頃から自分の健康状態を「かかりつけ医」に知ってもらっておくことが必要です。さらに急変時の備えやその対応方法についても聞いておきましょう。そのことが救急医療体制を円滑に機能させることにも繋がります。
いい具体例があります。兵庫県丹波市の柏原病院は、医師不足で小児科存続が危ぶまれましたが、地元の子供を持つ母親などが「県立柏原病院の小児科を守る会」を結成。「コンビニ受診を控えよう」「かかりつけ医を持とう」「お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう」という3つのスローガンを掲げて支援活動を展開したこともあって、小児科存続が実現しました。
● 内科・小児科の初期治療の問い合わせ(一次救急)
《明石市立夜間休日応急診療所》 ℡:078(937)8499
【小児科】 毎日21時~24時/日曜・祝日・年末年始9時~18時
【内 科】 毎日21時~翌朝7時/日曜・祝日・年末年始9時~18時
● 手術や入院が必要だと思われたり、症状が重篤である場合は119番
(二次・三次救急)。状態の応じた病院に搬送されます。
● 子供が急病になり緊急を要するか迷ったときは#8000やホームページを利用しましょう。
《兵庫県小児救急医療電話相談》 #8000
ダイヤル回線、IP電話の場合 ℡:078(731)8899
相談時間 平日・土曜18時~24時/休日・年末年始9時~24時
《こどもの救急ホームページ》 http://www.kodomo-qq.jp
対象:生後1ヶ月~6歳
● かかりつけの医院・病院を探すには
《明石市》 明石市医師会 ℡:078(920)8739
http://www.akashi.hyogo.med.or.jp/

日本の医療制度に関してご意見、ご要望のある方は
厚生労働省 医政局 総務課(FAX:03-3501-2048)までFAXで、
又は、厚生労働省のホームページの"ご意見"のコーナーまで