第16回「どうする?あなたの看取り」Q&A
- 「看取り医の充実が不安です。どうやって探せばいいですか。」
- 「兵庫県立がんセンター地域医療連携室、明石市医師会でも受け入れています。」(池垣氏 回答)
「各在宅医の近隣エリアを決め、在宅医療を行っています。受入れは大丈夫だと思います。外科的処置は専門の医師が必要です。緊急時のベッドの確保と訪問看護ステーションとの連携は必要だと考えます。」(石田氏 回答)
「老人同士が助け合うしかありません。例えば65歳の息子が80歳の親の面倒を見るというように、です。また、少子化で若い人が少なく、そして若い人は仕事で忙しい。親の面倒を見る時間はありません。外国から介護する人を呼ぶという考えもあるが、それは適当ではありません。一番大切なのは「自分の健康管理」です。
病院は治る人を治す場所であり、介護をする場所ではありません。医師、看護師は不足しているし、介護人も少ないです。とにかく人に頼れることはないのです。自分の健康管理を行うことが一番大切です。
また、日本以外の国では、ほとんどが家で看取っています。日本はバブル期以前はほとんど家で看取っていましたが、バブル期以降は病院で看取るようになりました。」(カール・ベッカー氏 回答)
また、医学が進歩すればするほど、決めることが増えていきます。国は決めません。決定することは個人に任されているのです。だから前もって自分で決めて、文字にしておくことが重要です。」
- 「ベッカー氏から見た日本人の特徴はありますか」
- 「お墓や仏壇を大切にしている。これは日本人の知恵だと思います。「亡くなっても、失わない」という考え方は特徴的だと思います。」
- 「ガンの告知や看取りについて」
- 「ガンは告知しなくても患者さんは知っています。また、(看取りについては)ガンよりも認知症が困ることが多いと思います。」
- 「資料1のグラフについて。あと30年後の推移はどうなりますか?」
- 「高齢者数はしばらくプラトー(停滞)になり少しずつ減少していきます。(高齢化率はH72年には39.9%に達すると予測されます。)」
- 「ベッカー先生へ質問です。日本と欧米の死生観で大きく違うところはありますか?」
- 「世界調査での結果、40年前の日本は最も死を恐がらない国でした。バブル期以降は、日本は死を怖がるようになりました。理由は死を見なくなり、死がどんなものかわからなくなり怖くなったからです。日本と欧米と比べるよりも、日本の昔と今を比べると、死について理解できると思います。」
- (介護施設に勤務されている方からの質問)
「認知症でお部屋で一人で落ち着きません。どうしたらよいですか?」 - 「その人特有の問題があり、短時間で回答は大変難しいです。」
- 「カール・ベッカー氏の著書が廃版になったので再版を希望します」
- 「今後、改訂された本を出版する予定です。」
- 「積極的安楽死について、どう思われますか?」
- 「(積極的安楽死について)人は、手を伸ばせば死ねると思うと、もう少し頑張ろうという気持ちになります。死に対しての自分の考えを透明性にするか、しないかだけと思います。前もってクロージングノートなどを使って紙に書いておくことが大切だと思います。」